CIRTIS OSADA

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──本日は渋谷のカフェミヤマに来ています。今回のゲストは、僕の中学時代からの友人であり、今飛ぶ鳥を落とす勢いの活躍をみせているバンド「indigo la End」より、ギターの長田カーティス君をお呼びしました。よろしくお願いします。
 

ギターは遊びで

──それではまず生い立ちを教えてください。

旧敷島町(現・甲斐市)の出身です。中2の頃、塾が一緒の幼馴染が「ギターやろうぜ」と突然言いだして。元々、父親が音楽好きで家にギターがあったのでちょっと弾きはじめたんです。そんなに練習とかはしてなくて、実際にちゃんと弾き始めたのは高校2年生くらい。

──これだ!って思ったわけですね。

いえ、全然(笑)。遊びです。
当時はBUMP OF CHICKENさんやASIAN KUNG-FU GENERATIONさん、The band apartさんなどのバンドを聴いたりコピーをしたりしていました。大学に入学して上京したんですけどスタンスは同じ。軽音楽サークルで色々なバンドを組んでひたすらコピーしまくるという―。そのうちオリジナル曲を演奏するバンドとかも少しづつやり始めたけど遊びなのは変わらなくて。就職して社会人でいいや、みたいな感じでいたんですが就活が面白くなかったんです。エントリーシートもたくさん書いたし説明会もたくさん行ったし。茶髪でリクルートスーツも買わなかったけど。
でも、どこで説明を聞いても同じようなことしか言っていない様な気がしてこれは長くは働けないなとー。だったらやりたいことをやろうかなと思ったんです。それがバンドだった。

そんな時、就活の合間に見ていた当時の大学生必須ツール、mixiのメン募(メンバー募集)コミュ(ニティ)に良い感じのバンドがあったんです。“悪くないな”と思ってコンタクトを取って加入したんです。
それがindigo la Endだった。卒業間近の2月。
indigo la End OFFICIAL SITE http://indigolaend.com/

──普通のバンドマンだったら在学中にバンドを組んで、就活をすっ飛ばしてそのまま卒業になだれ込んで行くものですよね(笑)。就活にぶつかって違うなと思ってから反転してバンド加入、しかもSNSで、というのはとても珍しいケースですね。
以前のインタビューでBig Benさんが言ってたのは「自分が本当に何が好きなのかを自問してほしい」ということなんですけど、自分が何が好きなのか分からなかったら何か違うなと感じても社会をドロップアウトした僕みたいなフリーターになりかねませんからね(笑)
これは本当に重要なことで、最近はどんな音楽が好きか訊いても「何でも聴くよ(だから決められないや)」という人が本当に増えたし、そういう人は大体メタルとかジャズとかノイズとかギャングスタ・ラップとか敬遠する嘘吐きだから絶対信用できない!YouTubeの副作用だと思いますけどね。それからバンドマン誰しもが直面する問題が家族の音楽活動に対しての反応だと思いますが、親は長田君のその決断に関して何も言わなかったんですか?

そりゃ言いますよ。就活してて無理だ、とは思ったんですけど「就職しないで音楽やります」とは中々言えなかった。うちの親は絶対うるさいから言えないな、と。なのでずっと「就活してるけど全然決まらない」と言って就活しているのを装っていたんですが、年末に実家に帰った時に「俺就職しないから。音楽やるから。」と言ったんです。そうしたら「時期が時期だし、もう諦めてるから。」と返ってきてさらっとOK?が出ました。あまりのあっさりぶりに驚きましたけど。
 

遊びじゃ無くなった

──そして晴れてバンド活動に専念する、と。

そうです。ちょうど結成した頃、ロッキング・オンのオーディション(RO69 JACK2010)を知ったんです。とりあえず出してみようとそれのためにレコーディングして応募したら入賞しちゃったんですよね。結成2ヵ月の録音だからびっくりしましたけど。
それで冬にも新しい録音を作ったのでまたとりあえず出してみようと(RO69 JACK10/11)。前回よりも良いから絶対入賞はするだろうな、なんて思ってたら本当に入賞して!そんなこともあってライヴにもだんだんお客さんも来てくれるようになりました。遊びでギターを始めた僕ですが、意識も変わったのかバンドのリハ(ーサル)も週2回4時間に増えました(現在は週3回)。
音源のリリースも色々なレーベルから話をもらいましたけど、最終的に今のeninal(エニナル)というスペースシャワーTV(以下、スペシャ)のレーベルに落ち着きました。メジャーレーベルからの話もありましたが、それは全てお断りして。
理由はPVがスペシャでオンエアされるってことにメリットがまずあるし、単純にスペシャの人が良い方々ばかりだったという事です。レーベルの人って思いっきり音楽業界のおじさんで、上から物を言ってくる人が多いけど、スペシャの人は近所のお兄さんって感じですごく好感が持てた。やっぱり最後は人間力ですね。

──今、お客さんはサービスや価格よりも人につくとも言われてますね。それが音楽業界でも有効なんだと言うことが今証明された訳ですけど。それからが怒濤のリリースと再生ラッシュですね。

はい(笑)。 そのレーベルから1枚目のミニアルバム「さようなら、素晴らしい世界」をリリースしました。おかげ様でリードトラック「緑の少女」のPVは25万回も再生されています。作った時は良いものができたと思いましたけど、今聴くとちょっと浮かれてるかな。2枚目のep「渚にて」の方が浮かれてる感も無く地に足ついてできてると思いますよ。
いつかはミスチルみたいになりたいですね。僕はギターロックバンドにリードギターは要らないと思ってます。聴きたいのは歌だから。でもそこに留まってたら駄目で、歌を聴かせる前提でギターが追いついていかないといけないんです。ギターはコードを弾くというよりもメロディを奏でる楽器だと思ってるので、歌と同じレベルのメロディを弾きたいですね。それをできるギタリストはそうそういないし。そこが僕の味だと思ってます。
indigo la End「緑の少女」MV http://youtu.be/BrwYudRnnYU
indigo la End「渚にて幻」MV http://youtu.be/KsgDeli9Z3M

 

レペゼンヤマナシ

──ありがとうございます。では次に山梨のことについて伺いたいのですが、差し当たり思うことなどありますか?

去年の年末帰った時に甲府駅から歩いてたんです。人通り少なくなったなあと思いながら一つ路地に入ったら店が全部シャッター閉まってて本当にびっくりしました。商店街全部閉まってて真ん中に椅子がぽつんと置いてある。東京から1時間半であれだとギャップが凄い。

──東京と甲州街道で接続されながら最果ての地だと言われていますからね。

そうそう。月に2回くらい名古屋でラジオをやっているので名古屋行ったり大阪行ったりしてファンの子とかと話す機会があるんですけど、「今度東京行きます」って言ってくれるんだよね。しかもそれが高校生とかで。自分が高校生の時にそんなことしようと思ったことがまず無いし、周りにもそんな風潮やエネルギーは無かったと思います。そういう意味でも遠いなと感じる。音楽だけじゃなくて色々な情報も知らない人が多い気もするし。
だからもっと東京や僕らを身近に感じてもらおうと最近はインタビューなどの時は必要以上に山梨推ししてますよ。ポスターのサインの横に山梨出身って書いたり(笑) あと最近知ったけど、ゆずのバックでギターとベースを弾いてた人も山梨出身だって話も聞いたことあるし、結構ミュージシャンもいるのかも。

──その通りだと思います。僕は音楽だけと言わず山梨出身のアーティストでユニオンを作るべきなんじゃないかと思ってます。ヒップホップみたいにくっつきすぎると怖いんだけど。それを踏まえて僕のやってる「火と風」っていうパーティでは山梨出身ミュージシャンの帰還も裏テーマにしています。
それでは山梨の若者に何かあればお願いします。

 

意思と人間力

先ほどの通り、僕が音楽を始めようと思ったのが大学4年生の時だったんですけど、もっと早くて良かったなと思ってます。自分のやりたいことを早くから考えて先にやっとけば良かったなって。正直な話、高校に行く事すらも悪く言えばレールに乗ったというか、皆がこうしてるから自分もこうしなきゃいけないとか大学進学もみんな行くし勉強してるからやらなきゃって感じだった。自分がどうしたいかではなくて周りがやってるからやっていたと思います。でも就活を辞めて、ようやくレールから外れられた。就活さえレールだったし。
レールを外れないと分からないことがある。別にレールから無理に外れなくても良いけど、何か意欲(意思)を持って取り組まないと駄目なんじゃないかと。つまりさっきのレーベルの話に戻るけど人間力なのかな。

──ゆとり教育の理念は意思教育だった、と僕も何度も言ってますけど、もっと学生時代にあった総合学習の時間を思い出さないと駄目ですね。ただぼんやり流されているだけが一番危ないぞ、と。やるならレールを乗りこなすくらいにならないと。この前の選挙で明確に分かったことですがSNS世論は所詮東京などの一部都市の物に過ぎず、若者の投票率を上げるとかいう間に地方の意識から変えていかないといけないと思います。
本日はありがとうございました。本日のゲストは長田カーティス君でした。

ありがとうございました。山梨にもライヴに行きたいと思っているので今後ともよろしくお願いします。
 

編集後記(小池)

今回は、山梨の人が知らない山梨出身アーティスト・長田カーティス君でした。彼とは中学以来の友人ですが、彼の活躍と山梨推しがどこまでいくのか必見ですね。個人的にはメジャーレーベルを蹴ったという下りに爽快感がありました!笑

それから、僕がインタビューを担当するのははstillichimiyaのお二人以来なので大分久しぶりです。というのも、渾身のインタビュー群にほとんど誰も反応してくれなかった、というかほぼ無反応という反応を受けたことによって意気消沈していたからです。みっともない理由なのですが、そんな虚無主義にうなだれている訳には行きませんので山梨愛をくすぐる記事をもっと書いていきます!2013年も甲州最前線をよろしくお願いします!

 

長田カーティス(おさだかーてぃす) – 1988年生まれ。バンド「indigo la End」のギタリスト。山梨大学教育人間科学部附属中学校卒業。山梨学院大学附属高校卒業。法政大学社会学部卒業。2013/02/06 1st full album「夜に魔法をかけられて」リリース。スペースシャワー列伝JAPAN TOUR2013出演。
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